2009年4月にイタリアに大きな被害を与えた地震。しかし、それだけで終わるのだろうか?

 
 

 今回の地震については、ISCのデータにより地震の目が比較的はっきりと現れました。そして、目の地震発生の時系列を見ると、目の発生が1978年と読みとれ、そうとすると、本震発生は、2008年±4年となり、想定期間内に発生した比較的大きな地震となる。

 そして図1に示すように、地震の”目”内での断層は北西から南東へ段階的に形成されていった



ことが見てとれます。是に加えて、図2に示すように火山噴火活動との関係(SeisViewで解析)をみても、エトナ火山の噴火活動と強い相関を示すことが分かり、これまで他の地域で見てきた、活動推移と同じメカニズムが読み取れます。



 ところがここで気になることが出てきました。それは、今回の地震の規模のことです。その規模とは、主地震発生の前の”目”の大きさ(通常長さ)に相当した活断層が動いたと同じ規模の断層が発生する傾向がありました。しかし、今回は、それで計算すると、M7-8クラスの大きさの地震が発生してしかるべきとなるのです。すなわち、今回の地震では規模が小さすぎないかという疑問が生じます。今後2008±4年、すなわち2012年までは油断しない方がよいと言えそうです。