2007年10月9日
2007年10月6日、神奈川県西部にまた地震-富士火山との関係は?

1.20071001W.Kanagawa

 

 図1(上図) は、気象庁|地震・津波サイトの”最近の深度1以上を観測した地震”(http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/shindo_db/db_map/index0.html )の”2007年10月1日02:21:14.4の震度分布図である。

この付近でまた地震が発生。東京国分寺震度3。ここはり大地震の目になっているので はないかという質問を受ける。そこで10月1日のM4.9の地震と共に検討したところ、大・巨大地震のシグナルはみられないとの結果が出た。しかし、この 地図の他の地域で認められた活動が気になる。

 

図2は、神奈川県西部を中心とした震央分布図です。図中の四角い領域は断面を取ったところである。

図3は、図2からとった東西断面です。これによると、今回の地震はB(フィリピン海プレート)内で発生したものと判断されます。それは、図1に示された震 度5ー4という大きな揺れが同プレートの露出する伊豆半島で大きかったことや、広範囲に揺れを感じたことなどを合理的に説明すると思われます。

ここで重要なのは、その上に来る北米プレート(オホーツクプレート)内のAと付した所は地震活動がない、すなわち地震の”目”は神奈川県西部にはないということです。したがって、これまでの一連の活動はもぐりこむプレート内の地震活動であって、それより上位で大・巨大地震が発生する可能性はきわめて少ないと判断されます。

 

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ただし、断面の右端の?をつけた部分に気になる地震活動が認められます。ここでは、Aと付した領域(オホーツクプレート?)内に地震活動がある。ここは まさに、中央防災会議が、発生する蓋然性が高く最も甚大な被害を予想している「東京湾北部地震」の発生予想域と一致していると思われる。

東海地震予想域を チェックしたらサイスミック・アイが見られず、少なくともここ30年以内に巨大地震の可能性が少ないという結果となったのとは異なり、真性のアイが認めら れるのか?この検討は次回にゆずりたいと思います。

 

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図4は、図2の地図の富士山を中心として北東ー南西にとった断面です。この断面は東京湾から外れているので、A内の神奈川県西部から東京都内まで異常地震活動は見られません。

今回の活動は、やはり富士山の下のマグマ上昇により周辺に及ぼされた差応力の増加によって発生したものと考えられます。おそらく富士山下の波線円で示され たマグマ溜まり域から北東側にマグマの移動があったことも考えられます。この図からは、もし将来富士噴火がはじまるとすれば、富士山の北東側から兆候が現 れる可能性が示唆されます。

おわり

 

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