2007年10月22日
伊豆大島は噴火するか、また地震は?

2000年に三宅島が大噴火活動を行った。前回1983年噴火の際は、3年後に伊豆大島火山の大噴火が行われた。では、今回はどうなのか、地元から不安の 声も出ている。また、1950年伊豆大島噴火の3年後房総沖地震(M7.4)が発生した。それでは地震はどうなのか。検討が必要と思われる。

 

図1は、三宅島火山近傍の通常地震活動をみる図です。例によってデータはJMA, 処理は東京大学地震予知研究エンターのSeisView (Koketsu and Yoshii, 2000)を使用しました。以下の図についても同様です。

木村の通称”P理論”によると、P2時に大噴火が行われます。このPというのは、地震活動の極大のピークを示します。図1では三宅島の2000年の噴火はP2時の活動と見なされます。一時は、1983年の分か活動の締めくくりのP3とみた時もありましたが、それは訂正します。

 

図1 三宅島近傍の地震活動。赤丸は大噴火。

図1 三宅島近傍の地震活動。赤丸は大噴火。

 

図2は、伊豆大島火山付近の通常地震活動を示すグラフですが、図1と比べてわかるとおり、各ピークは三宅島よりほぼ3年ほど送れてやってきます。これは南方からプレートが押されているからと思われます。図を見ると、1990年の後では地震活動が非常に低くなり、噴火もありません。いわゆる噴火活動に似関しては休止期にあり、この時期には大噴火はまずないと思われます。

 

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図3は、図2を確認するために、月別の地震回数を見たものですが、やはり今回は休止期にあるようです。

 

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それでは、図4をみてみます。これは、大島より北の手石海丘付近の地震活動を示しています。大島の活動期にやはり3年ほど遅れてピークが来ます。ここは1993年ころからのP3の活動がかなりはっきりしていますが、これより後の活動はぴたりとなくなりました。ここもこれから大噴火を行うとは思えません。

 

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では、次にこの付近および周辺での大地震活動はどうなのでしょうか。1983 年三宅島ー86年大島ー89年手石海丘噴火に関連する大地震(M≧6.5)は、すでに南関東沖で発生し、現在は、2000年三宅島噴火に対応する大地震発 生期に向かう時期となっているはずであることが指摘できます。これについては、また項を改めてご報告させていただきたいと思います。

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