2008年5月17日
2008年5月12日、四川省大地震発生

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2008年5月12日午後2時半(日本時間午後3時半),中国四川省でM.7.9の地震発生。図の白矢印の先の青丸。木村『大地震の前兆をとらえた!』(2008)にプロットしたもの。大地震前に、地震の目“サイスミック・アイ”はあったのか。

 

私の指摘では、世界のM6.5以上の地震発生の前には地震の目”サイスミック・アイ”と称するものができていると言うのがあります。今度の地震ではどうであったか見てみたいと思います。

図1は、今回の巨大地震(当ブログでは慣例的にM7.5以上をそう呼んででいます)に認められた地震の目の時系列を見たもので、ほぼ典型的な目の活動として良いと思われます。

 

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この目の立ち上がりを、図1により1976年ととると、本震発生は2006±4年となり、今回の発生時期と調和します。本当は、これをチェックする他の方法(火山活動との関係)があれば、より精度が増すのですが。それでは、どうして目を識別したのか見てみたいと思います。

 

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図2はM6.5以上の通常地震の震央分布です。円で囲った部分は、1970年以降大地震(M6.5以上)が起こっていないところで、広い意味での第一種地震空白域です。この中で将来大地震の発生が予想されます。

 

 

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図3は、M6以上の地震分布です。第一種空白域の中に見られた地震活動部を円で囲みます。これが将来の目に発達する可能性のあるところです。

 

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図4は、M5 以上の地震分布です。この地図は、全図までのものの一部を拡大した物を使っているためスケールが違うので注意してください。ともかく、図3でアイ(目)かとした場所の中で微小地震活動が集中しています。これは間違いなく地震の目”サイスミック・アイ”の特徴を示しています。ドーナツの部分もだんだんはっきりしてきました。

 

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図5は、M4以上の地震活動です。目の部分の地震活動はますます活発化している様子がわかりま す。この目は、当初北側で活発だったのですが、その活動は南に移ってきました。そうしたら、目の中心から少し外れたところで本震(M7.9)が発生しまし た。また、目は、拡大してみると、線状に北東南西に延びていて、その長さから推定したものは本震の大きさに近いことを示しました。

以上の経過と結果は、従来他域で発生した大・巨大地震のそれと基本的に類似しているため、周辺に活動的な火山があれば、その関係も類似したものが予想されます。

 

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