- 2010年1月4日
- 2009年12月からの伊豆半島東方沖の地震活動とその意義
2009年12月17日から伊豆半島の付け根の伊東市沖付近で、小規模の地震活動が続発しはじめました。駿河湾でM6.5の被害地震があった後なので、心配の声もきかれます。私は、これは地震学的に重要な意味を持つものと推定しています。
下図は、東海沖の地震活動を示した図です。気象庁の震源データを用いています。ここに示す図はすべて深さ100kmまでのものです。左図は, マグニチュード1960-2009年9月までの約49年間の(M) 6.5以上の震央を示したものです。これは、たまたま新たにできつつあるプレート境界 とされる銭洲断層の活動度を見るために作った図です。M6.5という大きな地震は、銭洲断層を取り巻くように発生していて、いわゆるドーナツ現象を思わせ ます。今年2009年に発生したM6.5の駿河湾の地震は、そのドーナツの輪の中の活動だったとみなされます。
上図右は、より小規模な地震を含んだ、M6.0以上の地震の震央分布図です。ドーナツの輪がよりはっきりしてきました。
下図は、マグニチュード4以上の地震活動を示しています。ドーナツの輪と地震の目がはっきりしてきました。2009年12月からの維持半島での活動は、銭洲断層にできた地震の輪(ドーナツ)内での活動であることが明瞭になりました。
そして、地震の目も明瞭になりました。この地震の目の活動パターンの時系列と、2000 年三宅島大噴火、2004年浅間山火山噴火との時系列の関係から、予想震源域の本震の発生は、銭洲地震の規模はM7.7でその 発生は 2011±4年と計算されました。マグニチュード7.7は巨大地震と言って良いでしょう。大津波の発生には注意が必要と思われます。