登録〆切・問い合わせ

平成20年3月6日(木)までに、下記電話またはメールで各講義事に登録下さい。

●海洋科学技術学校事務局 設楽(しだら) 電話 046-867-9062 e-mail:  shidaraf@jamstec.go.jp

●国際海洋環境情報センター 廣瀨     電話 0980-50-0121    e-mail:  hiroses@jamstec.go.jp     


                   海洋科学技術学校の講義一覧

テーマ:「美ら海のサンゴ礁と地球環境変動」


第1講

藤岡換太郎(海洋研究開発機構 特任上席研究員 理学博士)

(題目)地球史とサンゴ礁

(内容)地球の歴史の中でサンゴ礁が果たしてきた役割について述べる。サンゴ礁は過去の地殻変動や海面変動などを記憶している。またサンゴ礁が形成された時の海水の温度や年代を記憶している。これらを解析して環境の変動の歴史を知る。第2日目の巡検の案内と解説を行う。


第2講

河名俊男(琉球大学教授 理学博士)

(題名)琉球列島におけるサンゴ礁地形の特徴、過去1万年間のサンゴ礁の発達史および津波と台風の高波によるサンゴ礁海岸域の地形変化

(内容)琉球列島のサンゴ礁地形の特徴を過去1万年間の海面変動と地殻変動から検討。その中で、石垣島と西表島の間に分布する石西礁の生い立ちについても考える。1771年明和津波および1832年や1951年の猛烈な台風の高波によるサンゴ礁岩塊の打ち上げなど海岸地形の変化についても紹介する。


第3講

西平守孝(名桜大学総合研究所長・教授 理学博士)

(題目)サンゴ礁における多種共存:「棲み込み連鎖」からみた世界

付:サンゴ礁資源の保全と活用への展開

(内容)サンゴ礁は多くの種が共存する種多様性の高い世界である。「棲み込み連鎖」の立場からみれば、多種共存を実現しているのは生物たちの棲み場所をめぐる関わりであることが見えてくる。棲み込み連鎖は、サンゴ礁の保全と活用へも多くの示唆を与えてくれる概念である。


第4講

中野義勝(琉球大学熱帯生物圏研究センター技術専門職員 理学修士)

(題目)多様な造礁サンゴの世界:サンゴ礁群集の骨格を成すもの達

(内容)「造礁サンゴ」とは、刺胞動物の生き物たちを生態学的機能で特定する言葉である。微細な生物の共生によって構成されるこの機能と、サンゴに見られる多様な生活史戦略からサンゴ礁を考える。第2日目の瀬底実験所の案内と解説を行う。


第5講

木元克典(海洋研究開発機構 研究員 理学博士)

(題目)微化石が語る黒潮の過去と現在


(内容)日本周辺海底の泥の中に含まれる小さな海洋生物の化石(微化石)を用いた最新の分析結果から、黒潮がいつから存在し、過去にはどのような姿であったかの謎に迫る。微化石の生物としての側面も、貴重なビデオ映像を交えてご紹介する。


第6講

古島靖雄(海洋研究開発機構 研究員 理学博士)

(題目)サンゴ礁海域における物理環境の特性−石西礁湖と竹富海底温泉−

(内容)複雑な地形を有するサンゴ礁海域の物理環境の特性、棲息分布、拡散、環境の変動などについて,石西礁湖と竹富海底温泉で実際に行った環境計測例や映像を交えて解説する。


第7講

松本英二(名古屋大学名誉教授 理学博士)

(題目)礁サンゴと地球気候:サンゴ骨格気候学

(内容)造礁サンゴの炭酸カルシウム骨格は、木と同様な年輪を持つ。この年輪のひとつひとつに当時の水温、塩分などの海洋気候情報が記録されている。サンゴ年輪解析から、地球環境の変遷と未来を展望する。


特別講義

木村政昭(琉球大学名誉教授 理学博士)

(題目)与那国の海底遺跡と古環境

(内容)沖縄県与那国島および沖縄本島海底に、城郭を含む海底都市が水没したような地形形態が認められる。これは、地殻変動を含む地球環境変動によってもたらされた実例として、人類に警鐘を発している可能性がある。