4月6日のイタリア地震、これで終わってほしいですね。

 
 

 図1は、1965年以降のイタリアを中心とした大地震(M≧6.5)の分布と、イタリア近傍の主な火山活動を示したものです。図2には、それらの火山活動と地震との関係を示したものです。

 イタリアでは、通常私が対象にしている大地震(M≧6.5)の地震は、ここ43年間に1つしか起きていません。マグニチュード6.8の地震です。それと今回の地震の2つについて、噴火活動(P2=主噴火活動?)との対応を示したものが図2です。



 今回の地震については、2007年ストロンボリ火山の噴火と2008年エトナ火山の噴火立つ動が図2の曲線にほぼ乗ります。ただし、4月12日の私のブログで示したものと異なり、2009年地震に対応するエトナ火山の主噴火は、2008年の噴火に修正しました。その理由は、最新のBulletin of the Global Volcanism Network (Smithonian National Museum of Natural History刊)によるデータの検討の結果です。また、エトナ火山は前回のイタリア南部の1980年地震との対応が見られます。

 ここで、ジュリアーノ氏も指摘する今後の活動について若干の考察をしてみたいと思います。一つは、私が12日に指摘した、”地震の目”の大きさに比較して4月6日の地震は、M6.3と小さすぎるように思える点は、やはり気にかかります。今日は、もう一つのエビデンスを示します。

 図2で示されるように、2009年地震に関して、対応するストロンボリ火山もエトナ火山も、世界海溝型で得られた曲線の下側に来ていることです。これは、イタリアの特性かも知れません。しかし、誤差の範囲である1-2年後までは注意が必要と思われます。

 ただし、図1でわかるようにこれまでは、イタリアではM7を超す地震は起こっていないため、これですむという可能性を否定することはできません。しかし、防災のためには今後のさらなる検討が必要と思われます。

 また、それとは違って、今回の地震や今後の地震活動により、ヴェスヴィオ(ベスビアス=日本語?)火山が噴火することはないかとの質問もMuser氏から得ています。それは、引き続き次回に検討したいと思います。