2014年3月14日
”琵琶湖”付近の地震活動について

最近、琵琶湖付近で大地震が起こるのではないかとの心配の声が届いています。そこで、”地震の目”が発生していないか検討しました。図に従って説明をしたいと思います。

 

図1

図1 ”琵琶湖”は、私が提案する”日本列島断層”という構造線(大断層)に沿って陥没した、へこみと考えられます。その意味では、そこで大地震(マグニチュード6.5以上)が起きても不思議はありません。そこで、”地震の目”が出来ているか見てみましょう。

“大地震の目”を探すには、断層付近で、これまでに’マグニチュード(M)6.5以上の地震(大地震)’が発生していないか、プロットします。すると、そこにはぽっかりと地震空白域が現れます。これまでの例からみると、それはM8クラス以下、すなわち”通常の大地震”が起こる可能性があるかにみえます。しかし、M9クラスの超巨大地震の心配はないと言えます。

 

図2

次に、より小さな、M6以上の地震をプロットします(図2)。これによると、空白域の中にプロットされる地震が出てきます。一見、人の白目の中の”黒目”のように見えるため、その状態を”地震の目”と言っています。これが真実の”目”ということになると、M8クラスの大地震発生の可能性が出てくるので、次の手順に進みます。

 

図3

図3は、”目”らしき地震活動の時系列をとったものです。M2までの地震を採用しています。ここでは、棒グラフが急に立ち上がる時期が1978年となります。そこで経験則に基づいて計算すると、2008年と出ます。それに誤差5年を見積もり、2005年から2013年頃までに本震(大地震)発生の可能性があると出ました。しかし、これはまだ手順の一つで、結論はまだ出せません。そこで、次の段階に進みます。

 

図4

図4のように、マグニチュード(M)3までの地震を採ってグラフを作りチェックをします。すると、同じような波長のパターンがだらだらと続くだけで、図3のパターンとは全く異なります。このようなパターンを示している状態では、本域で本震(M8クラス)を起こす状態ではないことを示していると判断されます。ではなぜ、M2の地震では’2013年までに大地震の可能性’と出たかというと、それは、2011年の東日本大地震の影響であったと考えられます。

 

結論:琵琶湖付近での通常地震活動からは、近い将来の大地震(M6.5以上)の発生の可能性は、現時点においては認められないと判断されます。

このエントリーをはてなブックマークに追加