2008年4月8日
首都圏(茨城県南部)に有感地震

しばらく静かだった首都圏。茨城県南部に4月6日、マグニチュード3.5-4.3の地震が続発した。図中の×印の所。これは何かのシグナルなのでしょうか、それとも偶発的なものなのでしょうか。

 

2008 年6月6日21時-23時のあいだに3回地震がありました(図1中の×印)。気象庁によると、マグニチュード3.5-4.3です。マグニチュード3以下を 微小地震と言いますから、微小地震とあなどれない小地震といえます。それらは深さ70 kmの所で発生しているので、それは太平洋プレートの上面付近と思われます。

 

90-073_1000m

 

図1は、通常地震活動を示しています。C としたところは、地震の目”サイスミック・アイ”と思われるところです。”サイスミック・アイ”という言葉は、はじめて目にする方が多いと思いますが、そ れは私が導入した概念で、本HPでは、「ドーナツ・アイ」と言っていたものと同義です。

4月下旬に出版される拙著『大地震の前兆をつかんだ』には、くわし く説明しています。要は、その付近で大地震が発生しても文句言えないという場所です。図1では、その”目”を取り囲むようにして、3つの楕円が破線で示さ れています。内側の楕円内は第2種空白域、そのなかにサイスミック・アイが発達している図式とみえます。

 

その外側にある楕円は、控えめに見積もったドーナツパターンの輪の部分です。ところが今回の小地震の分布は、その輪の外にまで広がっています。広めに取ったドーナツの輪の外縁を示したのが最も大きな楕円です。

 

これで見ると、今回の小地震は、ドーナツの輪(サイスミック・リング)の活動に見えます。しかし、内側の輪に比べると、そとがわのそれはずいぶん外側に広がってみえます。

ところが、1995 年の兵庫県南部地震前のドーナツの大きさと比べると、これでもまだ小粒です。兵庫県の輪の長径(外側)は、350 kmほどでしたが、これは200 kmほどです。サイスミック・アイの長さは、これは50 km程ですが、兵庫のそれは100kmほどありました。兵庫県南部地震のそれらに比べると一回り以上小さいくらいです。

 

だが、どちらも共通点があります。サイスミック・リングが細長いと言うことです。これは、明らかに弱線に沿っているからです。兵庫県の場合は、日本列島断 層という一種のプレート内断層で、リングは北東ー南西に延びていました。

こちらは、柏崎ー銚子構造線という、やはり一種のプレート境界にあたるといって良 いところに位置しています。では、こちらではいつ本震の発生があるのでしょうか。それは、新著によるの予測時期の中に入っているようですので、いずれにし ても本域のサイスミック・アイ付近の監視は必要と思われます。

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