- 2008年5月19日
- 2008年四川大地震(M8.0)のサイスミック・アイ
2008年5月12日午後2時半に中国四川省で発生した”四川大地震”は、M.8.0に更新されました。左図は、事前に発生していた”地震の目”の活動を示すグラフですが、地震後の余震の分布とほぼ一致することがわかりました。
図1は、大地震前の通常地震活動を示したものです。これによると、ある地域に集中して地震活動が活発になったのは、北の方でした。本震30年ほど前からです。この活動域は南西方向にひろがり、ほぼ30年後に本震が発生しました。
本域の地震活動の変移を示したのが、図2です。これによると、地震活動は階段状に変化しながら活発になる様子がわかります。
これが、いわゆる地震の目の活動ですが、本震後の余震域のそれと良く似たところがあります。これは、従来の日本などでの活動とも類似しています。
1)まず、地震の目(アイ)は北東から南西へ活動を移してきて(図1の片矢印の方向)、本震はその南端付近で発生しました。その後の余震は、アイの来た道をたどるように北東方向に発達していきました。
2)長さは、地震の目(アイ)は、380kmほどと算定されていました。一方、報道等による余震域から長さを見積もると、350kmとなります。これは、基本的にはどちらもほぼ同じ断層運動ににみえます。
3)アイ(推定断層長)から求められた規模は、M8前後。実際の本震は、報道によるとM8とされました。
したがって、本方法は、他の大地震予測にも役立つものと思われます。